再愛 ーサイアイー
「俺じゃ、敵わない」 side優也
「本当に、ひとの気持ちっていうのは、儚いよなー。」
自分のキャラに似合わない、と理解しつつもそう呟く。
場所は屋上だ。
3月の中旬。
先輩達は、卒業している時期。
今は、2限目。
確か、世界史だったはずだ。
つまり、相変わらずサボっているのだ。
「本当、あり得ねぇ。」
給水タンクの裏にいる俺。
その手の中には、受信メールを開いたままの携帯電話。
そのメールは、『授業に戻って来い』という、ありがた迷惑な内容のものじゃない。
珍しく、3ヶ月前くらいに、3年ぶりにあいつから届いたメールだ。