再愛 ーサイアイー
意識が朦朧(もうろう)とする中、力が入らない体に、力を入れ、目を開ける。
「……うっ……」
腕の中で聞こえる声に、目を向ける。
「………いっ、た………るい…?」
体を打ち付けたようだが、目立った傷もない美幸にホッと安心する。
「瑠衣っ?!」
美幸の慌てた声にさえ、安心と嬉しさが湧き上がってくる。
はっきりと見えない。
意識が途切れそうだ。
血の溢れるドクドクとした感覚。
熱いな………
自分が1番よくわかる。
ーーー俺は、助からない。
「みゆ、き。」
泣きそうな腕の中の美幸。
抜け出したくても、俺の様子を見たくても、俺を動かしたくないんだろう。