再愛 ーサイアイー
「…--1つ、皆さんにお知らせしなければならないことがあります。」
始業式の最後。
校長先生は重そうに口を開いた。
「この春休みの間に、3年生になるはずの 城崎瑠衣くんが亡くなりました。」
予想はしていた。
瑠衣の死は、皆に告げられるだろう。
先週、瑠衣のお葬式が行われた。
そこで、瑠衣の死以来、初めて瑠衣の家族を見た。
目の前に、顔を出す勇気が無かった。
お葬式には参加したけど、現実を受け止めきれなかった私が、まだ心の中にいる。
結局、事故以来、瑠衣の家族とは会えていない。