再愛 ーサイアイー



まだ続くその会話に、イライラした。




「お前、あの先輩の胸見た?」



「何だよ……胸?」



「あれは、意外にあったぜーー


ドガンッ!!!




いい加減にキレそうな俺の耳に届いた、何かを蹴る音。




「………」



音源と思われる場所に立っていたのは、佐川だった。




いつもの雰囲気は微塵も感じられない、その怒りの様子に、



部室内もシーンとなった。




「………失礼しました。」




蹴ったであろう個人ロッカーは凹んでいる。





「俺、外行ってきます。」



ミーティングも終わっているので、わざわざ言う必要は無いが、



佐川は部室を出る時、明らかに美幸のことを話題にしていた2年の2人を睨みつけた。




< 306 / 404 >

この作品をシェア

pagetop