再愛 ーサイアイー
パニックの橋本は、ただ謝っていた。
何度も、何度も謝っていた。
「美幸先輩。俺が説明します。」
俺も頭が状態に追いついておらず、佐川は説明し始めた。
「俺が部室でイラついて外に出たんです。優也先輩は、そんな俺を気にして追いかけてくれたんすけど、俺と先輩で口論になってしまって。
美幸先輩と優也先輩の過去の話になったんです。
その時、たまたま、その話を橋本先輩が聞いてしまったらしくて。」
佐川が簡潔に説明する。
美幸は理解したように頷くと、俺を見た。
「それで、希望はパニックになったってことね。じゃあ、優也は何でパニックになってるの?」
冷静に佐川に尋ねた美幸の瞳は、この場の誰よりも、傷ついていた。