再愛 ーサイアイー
「………」
まさか自分が言おうとしたことを、先に言われるなんて思わなかったんだろう。
優也くんは驚きの表情をした。
「私、もう優也くんと恋人なんて嫌なの。別れてくれない?」
「橋本?」
私の言葉に、優也くんは反応出来ないでいる。
「だからさ、私はもう優也くんが好きじゃない。むしろ嫌い。」
「---わかった。別れよう。」
いつの間にか、私の家に着いていた。
「さようなら。」
「……さよなら。」
いつもは返してくれないのに、どうして最後だけ返してくれるの?
「橋本、ありがとな。」
私はそれには答えず、彼に背を向けて、マンションの中に入った。