再愛 ーサイアイー



「美幸っ!!」



私は、優也の腕を振りほどいて逃げた。





「美幸、待てよっ!」



すぐに捕まれた腕。




「ーーもう、構わないで。……もう、私は1人でいい。」



「なに……言ってんだよ。」



瑠衣を想えば、想うほど、胸が張り裂けそうで。




それなのに、消えて行く記憶と失われて行く体の感覚……



何を信じればいいか、わからない。





ーーー誰を信じればいいか、わからない。





「もう、いいから。放っておいてもらって、かまわない。同情もいらない。」






「同情だけなんかで、ここまでしねぇよ。言っただろ。俺は、お前が好きだから、救うんだよ。

俺は、二度とお前の前から消えねぇ。


ーー俺は、死なない。」





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