再愛 ーサイアイー
「何、言ってんの?!今更、何なの!!ーーもう、優也とは終わったの。」
私は、優也の手を、捕まれていない方の手で軽く叩く。
そして、力が緩んだすきに全力で走った。
「みゆきーーっ」
追いかけてくる音も、私の名前を呼ぶ声も聞こえた。
でも、私は暗がりを走り、何とか優也をまくことが出来た。
『私は1人でいい』
友情も、同情も、恋心も……
もう、何にも必要ない。
私は、お母さんさえいれば、これから信用する人なんていらない。
これからは、お母さんを守れるように、
誰にも頼らなくていいように、
1人だけでも生きれるように、
ーーー心を閉ざそう