再愛 ーサイアイー
「もう一度……」 side美幸
爽やかな風を頬に感じた。
「………。」
お互いに無言のまま、私が優也に背を向けるようにして立っている。
「………美幸。」
最初に沈黙を破ったのは、優也だった。
今、屋上にいる私たち。
周りには誰もいない。
それはそうだろう……なんせ、さっき昼休みの終わりのチャイムーー予鈴がなったのだから。
今、ここにいれば遅刻は確実だ。
優也と2人っきりになるために連れて来たのはいいけど、何をどう話せばいいのか……
「俺に聞いて欲しい事って?」
「うん…」
中々勇気が出ない私は、さっきの彼女たちの話を思い出す。