再愛 ーサイアイー
あまりにも意外な言葉に、驚いてしまう。
「今は優也先輩と幸せだと知っているので、気持ちを聞いてもらえるだけでいいんです。
でも、俺は初めて出会ったあの日、好きな人を想って涙を流す先輩に一目惚れしました。」
あの日、屋上で瑠衣を想って泣いた。
その涙を綺麗だと思ってくれたのが、嬉しく感じた。
「ありがとう。」
「はい。」
きっと答えて欲しいわけではないのだろうから、
答えを言う必要はない。
「美幸。」
後ろから聞こえた声に振り向くと、抱きつかれた。
「美幸っ!」
普段では絶対に見せない、希望の涙。
「私ね、この高校で美幸に会えてよかったよ!」
泣きながら、しっかりと私まで泣かせる。
「美幸と一緒の水着で、大会を泳げて良かった。」
私もだよ。