恋愛時計〜君と過ごす時を〜
第一章〜再会〜
入学
―4月―
「中学生だー!」
桜が舞い散る晴天の中、勢いよく正門に足を踏み入れた。
私、澤口美里。
今日からここ、深町第一中学校の一年生。
周りの生徒たちが次々と正門を通り過ぎる中、私だけ立ち止まり、これから通い始める新しい校舎を見て興奮していた。
すると……
「美里ー!」
聞き覚えのある声に振り返ってみる。
「沙奈!」
その声の主は同級生の谷本沙奈だった。
沙奈とは幼稚園から一緒の大親友。
この学校を選んだのも沙奈に誘われたことが理由のひとつ。