恋愛時計〜君と過ごす時を〜
「やばっ!!もうこんな時間!?」
突然、沙奈が時計を見ながら、何かを思い出したかのように声を上げた。
「どうしたの?」
焦り始めた沙奈に私は首をかしげる。
「部活!早く行かないとっ!」
「えっ部活!?もう活動してるの!?」
「うん!バレー部!」
沙奈は笑顔で答えた。
「急ぐからもう行くね!5時30分まで、時間潰してて!」
「えっ!?ちょ…」
待って!…と、私が言う前に沙奈は風のように駆け抜けて、見えなくなってしまった。
近くにあった時計で時間を確かめる。
4時35分。
あと、一時間くらいあるじゃん……。
ひとり、廊下に立ち尽くす。
これからどうしようか…。
文化部は全部見学して終わっちゃったしな…。
とりあえず、教室に戻ろうと、方向転換したときだった。