恋愛時計〜君と過ごす時を〜
「すごい…迫力…!」
私は一瞬にして、剣道というものに心を奪われた。
見てるだけでも、なんておもしろいんだろう。
素直にそう思えた。
「あなたもやってみない?剣道」
その迫力に釘付け私に、富山先輩は笑顔で優しく話しかけてきた。
「……」
「どうしたの?もしかして、剣道嫌いだった?」
突然黙った私に、富山先輩は心配そうに顔を覗かせた。
「……出来ないんです。身体が少し弱くて」
私の言葉を聞くなり目を見開く先輩。
「そうだったの!? なんか…ごめんね…?」
「先輩が謝ることなんてないですよ。それに全然出来ないわけじゃないですし。部活みたいに長時間は出来ないだけです」
私がそう言うと、富山先輩は寂しそうに笑った。
「そっかぁ……それならしょうがないね。せっかく剣道、好きになってくれたのになぁ。団体戦、5人で1チームなんだよねぇ…」