恋愛時計〜君と過ごす時を〜
第二章〜変わらぬ想い〜
距離
「今日から剣道部のマネージャーをします、澤口美里です。よろしくお願いします」
放課後、私は剣道場で皆の前で自己紹介をしていた。
“マネージャー”という単語にどよめく先輩達。
「澤口は身体が弱いため、長時間の運動が出来ない。それが理由で、マネージャーをすることになったんだが、一年だからな、分からないことがあるだろう。その時はお前達が教えてやれ」
顧問の後藤先生が、私がした自己紹介に付け足しをしてくれた。
「話は以上だ。練習に戻れ」
「はい!」
ぞろぞろと、先輩たちは先生のもとを離れていく。
「澤口!」
私も先輩達に続こうとすると、先生に呼び止められた。
「分からない事があれば先輩達が教えてくれるからな。遠慮せず聞けよ?」
「あ、はいっ」
私が返事をすると、先生も私に練習メニュー表を渡し、先輩と同じようにその場を離れた。
さてと、何しよっかなーっ。
……。