恋愛時計〜君と過ごす時を〜
「縁のないって、酷いな」
「お互いでしょ」
そう言うと、佐伯君は眉を下げて笑った。
その笑顔に不覚にもキュンとしてしまう。
…ダメダメ!
佐伯君はもう何でもない…!
いろんなことを考えているうちに、佐伯君が口を開いた。
「お前身体弱いくせに。何で文化系入らなかったんだよ」
「これと言った部活がなくてさ。そしたら未来先輩に勧められてね」
「へえ… 富山と知り合いだったんだ?」
私は首を振りながら答えた。
「ううん。 入学した次の日、たまたま廊下でぶつかってさ。 そこで初めて会った」
佐伯君はまた、「へえ…」と、どうでもいいような返事をした。
「剣道っていいよね! 面白いし、カッコいいし!」
佐伯君は小さいため息をついた。