恋愛時計〜君と過ごす時を〜
まあ、急がせたのは私だけど。
「朱里、あと何人くらい中にいる?」
朱里はうーん、と顎に人指し指を当てて、首を傾げた。
「女子は私で最後だけど、男子はまだ数人居たかな?」
「そっか、ありがと」
そのあと朱里はバイバイ、と手を振って帰って行った。
女子は私ひとりだけか…。
私はもう一度、道場の中へ入った。
…ていうか、何で女子よりも男子の方が着替え遅いの…。
普通男子はササッと着替えて…。
少し呆れてしまう。
薄暗い道場を見渡すと、男子更衣室の明かりだけが煌々とついていた。
しかも、更衣室の扉が全快になっている。
不用心だな…。
すると。
「うわっ、ババじゃんっ」
「それ言うなよ〜」
あはは、と聞こえる笑い声。
ま…まさか。