Birth Day〜さよなら、悲しいあの日〜
「滝川くん?」
人影の前に立ちそう呼ぶと
「おっせぇぞ」
と震えたような小さな声が返ってきた
「わたし行かないって言ったのに」
「んなこととっくに俺の頭から消した
美雨なら来てくれるって思ったから」
「バカ....」
滝川くんの頭に積もった雪を払う
濡れた金髪が見える
両手を頬に当てると
氷のように冷たかった
「な、なんだよ」
「こんな体冷やして
わたしが来なかったらどうしてたの⁉︎」
「来なくても待ってる」
「バカバカ」
カッとなってなぜか怒ってた
「なんとでも言え」
そう苦笑いする滝川くんに
今度は涙腺崩壊寸前
涙を隠すために滝川くんを叩いた
「もー!帰るよ」
「わかったってー
じゃあさ美雨の家行くわ」
「うん」