Birth Day〜さよなら、悲しいあの日〜
今日この日は田澤さんの命日
そしてわたしの誕生日
「田澤さんまた来年来ますね」
わたしは花束を置き両親の元へと向かう
今日は元気を無くしたわたしのために旅行を計画してくれた
「美雨、ちゃんと挨拶できた?」
返事も無しにただ頷く
「そう」
わたし達はそのまま歩いて近くのケーキ屋さんでバースデーケーキを買った
「家に帰ったら食べような」
お父さんはわたしの隣でケーキの箱を頬の側に寄せてニコッと笑いかけた
「そうね、プレゼントも買わないとね」
お母さんも同じくわたしの隣で笑いかける
わたしはちっとも嬉しくないのに
誕生日なんていらない
お母さんもお父さんもほんとはわたしのせいで苦しい思いしたんじゃないの?
なんでそんなに優しくするの?
「お母さんとお父さんはね、美雨の事が大好きだからね」
そんなこと言ったって冷えきったわたしの心に響くわけないよ