Birth Day〜さよなら、悲しいあの日〜



「ただいま」



家に入るといつものように山本さんがお帰りって言ってくれた



「山本さん今年の誕生日やっぱり予定が入ってしまって」



山本さんは視線を読んでいた雑誌からわたしへと移す



「そうなの?それは残念ね」



とニッコリ微笑む



「ほんとゴメンなさい」



「いいのよ、謝らなくっても」



食卓テーブルから山本さんは離れると台所へ移動する



「そうだ、クッキー作ったんだけどいる?」



「いただいます」



「じゃ、そこ座っててね♪」



わたしは食卓用テーブルのさっき山本さんが座っていたところの向かい側に座った



さっきまで山本さんが読んでいたファッション雑誌が目に入る



「はい、おまちどうさま~」



小皿に入ったいくつかのクッキーにコップに入ったミルクが目の前に置かれる



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