Birth Day〜さよなら、悲しいあの日〜
「主人にも食べてもらうんだけどね、味見して」
そう言ってさっき座っていた席に再び座ると雑誌を閉じる
わたしはクッキーを1つ食べた
クッキーを噛むたびに口の中にチョコ味が広がる
「どう?美味しい?」
「はい、とても美味しいです」
「良かったぁ、失敗してたらどうしようって思ってたんだよねぇ」
少し安堵した表情を見せる
わたしは残さず全部食べて牛乳を飲んだ
「おしかったです」
「ありがとね」
ニコニコ笑顔だった山本さんが急に真顔になった
「美雨ちゃん今年もお墓参り行くの?」
「はい」
飲んでたミルクを飲むのを止めた
「じゃぁ、お花買っとくわね」