Birth Day〜さよなら、悲しいあの日〜



「誰か轢かれたぞ!!」



その低い男の人の声にハッと我にかえる



白い服には血が染み付いている



目の前には血まみれの人が2人転がってる



そのすぐ脇に買ったばかりの誕生日ケーキが崩れている



お父さん、お母さん?



まただ...



ヤダよ!?



なんでみんなわたしだけ置いてくの!?



ヤダ...



ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ



「キミ、大丈夫?」



耳がおかしくなったみたいに何の音も入ってこない



わたし、わたし...何で生きてるの?



「おい、大丈夫か?」



誰かがわたしを揺すってるけど



わたしの視界には目の前でわたしかばった血まみれの両親しか入らない



こんな状況を前にしても呆然とするだけで涙だって一粒もでない



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