Birth Day〜さよなら、悲しいあの日〜



「俺と別れた後にでも1人で行くつもりだったんだろ?」



「そうだけど...何でそんなこと知ってるの?」



「花束...秦野のカバンに花束入ってたの見たから」



わたしから視線を外す事なく真っ直ぐにこっちを見る滝川くん



「ほら、ボーッとしてないで...行くぞ?」



「うん」



わたしは涙を拭って立ち上がり滝川くんの元へ走って行く



自転車の後ろに座るとゆっくりと進み出す自転車



そのままあの急な坂を下る



なんて優しい人...



こんなわたしであっても決して離れない



滝川くんのおかげで心強くなれるよ



滝川くんの膨らんだ服に顔をうずめて...



もっと滝川くんのそばに居たいそんなことを考えながら



< 56 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop