Birth Day〜さよなら、悲しいあの日〜
車や行き交う人で賑わっていた外とは世界が反転したように
静かで重たい空気がわたしを包み込む
いつかの日を思い出させる光景に息苦しくなった
みんな黒い服に身を包み悲しげな表情でうつむく人もいれば
ハンカチに顔を埋め泣いている人もいる
全くあの時と同じ光景だ...
お坊さんが延々と呪文みたいなお経を言っている最中にだって
鳴き声は聞こえてきた
わたしが...わたしさえ居なければこんなに悲しむ人も居なかったのでは
なんて考えるようになって来た
火葬場に行くほど泣き声はさらに強まった
「あぁ...雨音...娘を返して」
山本さんのお母さんと思われる人が座り込みすすり上げながら泣いていた