【BL】好きと嫌いは紙一重
「箕島、日本語変。」
「え?そうかな?」
そうだろ。
日本語ついでに頭もおかしい。
「さっき大嫌いって言ったよな?」
「うん。大っ嫌い。」
そんなに笑顔で言わなくても………。
さすがに箕島相手でも傷つくよ。
「だって水戸部、俺のこと好きになってくれないんだもん。」
「…………はい?」
「ずっとアタックしてんのにさ。」
ずっと………?
ずっとって………
ずっと?
言われて高校入学からの箕島との出来事を思い出す。
………どの記憶も馬鹿にされてばっかなんだけど。
「どこでアタックした?」
「ん?ほら、好きな子っていじめたいじゃん?」
いやいやいや。
それ自分勝手だし。
どうやっても箕島を好きにはならないって。
「あー、言っちゃった。」
箕島は椅子の上で膝を抱え、その上に頭を乗せて、恥ずかしそうに笑った。
「でもこれ言うために委員引き受けたから、目標は達成かな。」
そう言えば俺がジャンケンに負けてから、箕島はもう一つの空席に立候補したっけか。
「水戸部と二人っきりになりたかったんだ。」
いつもポーカーフェイスの笑顔をくっつけてるくせに、どうして今に限って照れた顔を見せるのか……。