黒龍Ⅱ





女の頬に拳を向けると、
音もせず綺麗に当たる。




「…、

 避けろよ…」




あまりにも
綺麗に当たった俺の拳は
女の頬を青く染め、
口からは微かに血を流させる。




その姿を見て、



「…ごめん、

 女相手にやり過ぎ…」



"やり過ぎた"
そう言おうとした俺の頬を、




ゴッ




女は殴る。





…っ!?






「…良いパンチしてる…、



 きみ、強いね」




…そう言った女は、



さっきと同じように俺に笑顔を向けていた。





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