黒龍Ⅱ










ギィィ





屋上の扉を開けた瞬間、
ぶわっと生暖かい風が
あたしを包み込む。





「んーっ、」




軽く毛伸びをするけど、
やっぱり少し痛む左腕。








痛みが顔に出てしまったのか、




「まだ痛みますか?」




竜聖が心配そうに聞いてくる。







「うん、ちょっとね。

 

 …右手だけで
 片付けられる人数だと
 いいんだけど…」




そう、心配はそこだ。



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