黒龍Ⅱ
「良かった…」
…安堵したのも束の間、
「お姉さんが
こんな所で何してるのかな?」
目の前にはナイフを持った男が
不気味な笑顔をあたしに向ける。
と、思ったら
「せっかく
綺麗なお姉さん
見つけたんだけど…、
ここでバイバイだね」
そう言って、
今度はナイフを向ける。
それと同時に、
さっきのあたしと同じように
遠くから
「危ないっ!」
誰かの叫ぶ声が聞こえたけど
あたしはその声には振り向かず、
男を蹴り上げた。