黒龍Ⅱ
あの日ナイフを投げられた
左腕が真っ赤に染まっている。
シャツに破れてるとこなんてなくて。
それだけで、
あの日の傷口が開いたと
知らされる。
「…っ、」
やばいと思い、
すぐにシャツを破る。
そして、
その破ったところから
巻いていた包帯を取ると
落ちていたナイフで
傷口の少し上を軽めに刺す。
「…ぅっ」
"軽め"といっても、
刺したのに変わりはなく
痛いものは痛い。
それから、
脚にも切り傷を作ると
あたしは、
また殴りかかってくる男を
倒していった。