黒龍Ⅱ
そして、
「…俺は、
海龍にいっぱい助けてもらったよ。
そんな海龍に
ずっと憧れてた。
ずっと"ありがとう"って
そう言いたかった。
…その左腕は誰を助けたせい?
誰をかばったせい?
俺たちだって、
麗にいっぱい迷惑かけたんだ。
なあ、麗。
俺はお前みたいに強くない。
…だけど、
麗を仲間だと思って
守りたいと思うのはいけないこと?
頼ってほしいって思うのは
いけないこと?
…もっと、
俺たちを頼れよ…。
何でそんなに
我慢して、強がってんだよ。
"助けて"って、
…泣いてんだよ。
麗のその
真っ黒な瞳が、
"助けて"って
痛いくらい叫んでんだよ…」
駿は苦しそうに
あたしを見つめた。