黒龍Ⅱ
第8章
大切な兄弟
「失礼します」
静かにそう呟いたと同時に
サッと障子が開かれる。
障子が開くと、
目の前には優しく笑う
「…お兄ちゃん…」
お兄ちゃんが居た。
半年ぶりに見るお兄ちゃんは
全然変わってなくて、
それが嬉しくて涙が出そうになる。
そんなあたしとは反対に、
「麗ー!久しぶりだなあ!」
そう言って
あたしを抱きしめるお兄ちゃんは
22歳という若さで
天竜組組長を務めている。