黒龍Ⅱ






「…お兄さんも、

 ひとりなの…?」





笑顔でそう言った。




だけど、
"お父さん"は
その笑顔に悲しみが
含まれていることに
気づいていたんだろうな。








「俺はひとりじゃねえよ」








その一言が、


なぜかすごく温かくて。

なぜかすごく心地よかった。








だけど、


"友達泥棒"


その言葉が何度も繰り返される。





"友達泥棒、友達泥棒、友達泥棒"










「そっかあ、
 
 じゃあお兄さんとは
 友達になれないね」





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