黒龍Ⅱ
夏休みに入って
もうすぐ2週間が
経とうとしていた。
夏休みに入ってからは
毎日のように
倉庫へ通っていたあたし。
いつものように
竜聖の後ろに乗って
倉庫へ向かうことはせず
あたしはひとり
家へと足を進めていた。
「…久々だな」
最近は
いろいろあり過ぎて、
何も無い日がなかったから。
何も無い、
平和な日常が
すごく懐かしく感じられる。
傷が開いてしまった左腕も
すっかり良くなって。
あれから何も起こらないことが
怖いと感じながらも、
どちらかと言うと
安心の方が強かった。