黒龍Ⅱ









「…これ以上近づいたら、




 智貴と同じように
 みんな撃つよ」





冷たい声で、そう言う。






そんなあたしを見て、





「…智貴はお前が撃ったのか…?」




駿が聞く。






「…そう、だけど?」





今すぐにでも
涙が溢れそうで、


声が震えてしまう。






「…智貴はっ、

 大切な仲間なんじゃないの…?」




あたしの答えに動揺した遥。





だけどあたしは、




「…仲間じゃないよ…。


 あたしはただ、
 利用してきただけ。







 遥、優真、隼人…駿、

 みんなだって、
 使えると思ったから


 …利用しただけ」





また、冷たく突き放すように
そう言うんだ。




< 316 / 321 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop