黒龍Ⅱ
「…これ以上近づいたら、
智貴と同じように
みんな撃つよ」
冷たい声で、そう言う。
そんなあたしを見て、
「…智貴はお前が撃ったのか…?」
駿が聞く。
「…そう、だけど?」
今すぐにでも
涙が溢れそうで、
声が震えてしまう。
「…智貴はっ、
大切な仲間なんじゃないの…?」
あたしの答えに動揺した遥。
だけどあたしは、
「…仲間じゃないよ…。
あたしはただ、
利用してきただけ。
遥、優真、隼人…駿、
みんなだって、
使えると思ったから
…利用しただけ」
また、冷たく突き放すように
そう言うんだ。