黒龍Ⅱ






「…そんなっ、



 麗さんっ!!」






「っ、近づかないでっ!!」





歩み寄る優真に
そう叫ぶ。




これ以上近くに来られたら
すべてを話してしまいたくなるから。



涙が溢れてしまうから。








「…じゃあね」





それだけ言うと、

崎沢の待つ車へと向きを変える。








…だけど、



「…待てよっ!!」






近づかないでって、
あれほど言ったのに




駿はあたしの腕を掴む。




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