黒龍Ⅱ







掴まれた腕が
熱くなるのを感じたあたしは






ドンッ








駿の鳩尾を一発殴る。



一発だけだというのに
駿は簡単に倒れこんでしまい、






「…麗、お前…っ」





今にでも涙が出そうな顔で
あたしを見つめる。






「…大切なんかじゃない。


 だから、
 こうやって簡単に
 殴れるよ。





 …あたしは、

 こういう人間なの」





その顔を直視することが出来ず
じゃあね、ともう一度そう言うと







今度こそ車に乗る。







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