黒龍Ⅱ
「……お父さんとお母さん、
それからお兄ちゃん。
もうすぐ2歳になるあたしは
家族4人で暮らしてた。
17歳のとき、
あたしを産んだお母さんは
大学生。
お父さんは…
働いてた」
まるで
泣いていたのが
嘘のように
無表情で話し始める麗。
「…ある時、
お父さんが出張で
家に帰って来なくなったの。
そんな生活が2ヶ月くらい
続いたある日…
お母さんは大学に行ってて
家にはあたしとお兄ちゃんの
2人だった」