黒龍Ⅱ
倉庫よりも少し離れたところに
バイクを止めて、
倉庫へ向かう。
…
「…嘘でしょ…」
目の前に広がる光景に、
思わず固まってしまう。
そこには、
圧倒的な人数で
獣牙を攻める紫霧たちの姿。
…そして、
「…負けてる…」
そう、
どこからどう見ても
獣牙が負けている。
紫霧たちが300人ほど残っている中で、
既に獣牙は、
幹部の4人しか残っていない。
もしもの時に、
いつでも助けられるように
やって来たあたしたち。
こんなにも
早く助けることになるなんて
思ってもみなかった。
…
「…っ、行きましょう」
悠さんの顔は見ずに
そう言った後、倉庫へと足を動かした。