復讐を考える者と呪われた者と。
「せつら!!おはようございます!」
「ぎゃっ!?」
教室に入った途端、メレディス・フォードが席から立ち上がり周りを囲っていた女生徒をかき分けこちらに向かって来た。
思い掛けず、失礼極まりない奇声が漏れてしまった。
が、それに気付きもしないのか......。
いや、気付いても気にも留めないでいるのだろう
彼の気遣いか?
「体調はもう良いのですか?」
「お、はよ。あー、うん。ダイジョーブデス.....」
思わず、目が泳ぎそうになる。
仮病で休んだなんて言えるわけない。
嘘は苦手だ。
メレディスは貼り付けたような変わらぬ笑顔で頷き、自然な動きでおれの手を取った。
「良かった。あなたが居ないここは寂しくて堪らなかった。せつら」
そう言って、
手の甲に唇を寄せ口付けた。
「ひょっっ!!?」
固まるおれを他所に
周りから悲鳴のような奇声のような声が聞こえる
メレディスは
それも気付かぬように気にも留めず、ニコニコと笑顔を貼り付けて居た。
やっぱりおれ、
こいつ苦手だ。
「あらまー、せつらさまったら、いつのまにかこんなに敵も作っちゃって......。流石せつらさま!」
怜愛はニヤニヤと楽しそうに一人微笑んで居た。