サヨナラのしずく
俊平は一瞬だけ優しい表情を向け、再び3人を蹴飛ばしはじめた。



男たちは泣き叫び何度も謝っている。



それでも俊平は止める気配はなくて延々と蹴り続ける。



あたしはゆっくりと歩き、俊平の元まで行き俊平の腕を掴んだ。





「危ないから離れてろ」


「もういいよ、もうわかったから」




これ以上やると大変なことになるよ。




「わかったってなにがだよ?」


「俊平が守ってくれるって」




だからあたしは俊平がいる限り、いなくなったりしない。



嫌なことが起こっても消えてなくなりたいなんて思わない。



だって、俊平がいるから…。





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