サヨナラのしずく
あたしは傷だらけになった3人を真っ直ぐ見つめていた。



この3人の姿をしっかり焼き付けておこう。



自分が被害者じゃなくて加害者だってことを忘れないために。




「カズキ、後は頼んだぞ」


「え?ちょっと待てよ」




あたしの肩に腕を回して歩いていこうとする俊平をカズキさんが引き止める。




「なんだよ?」


「なんだよじゃねぇよ。まずこいつらどうすんだよ」


「外へ放り出しとけ」


「それはいいとして、連合動かしたんだ。上に何て説明すんだよ」


「ほっとけよ。いちいち説明なんかしてられっか」




カズキさんは大きなため息をついて呆れた表情をしたけど、それ以上何も言わなかった。




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