サヨナラのしずく
「そんな元気よさそうにして無理してんだろ?さっきの見てて怖かったか?」


「……うん」


「ちょっと罪悪感も感じたか?」


「うん」





なんで俊平はわかってしまうんだろ。



あたしの落ち着かないモヤモヤした気持ちまで。




「お前のせいじゃない。悪いのはあいつらで、やり過ぎたのは俺だ。だからお前は何も悪くない」


「でも、あたしが…」




あたしがなに?



あたしがいなかったらこんなことにはならなかった?




「お前は何も悪いことはしてねぇ。俺も何も悪いことはしてねぇ。お前を守ることは悪いことじゃねぇだろ?」


「うん」


「だから気にするな」




俊平はぐちゃぐちゃになったあたしの髪を優しく直してくれる。






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