サヨナラのしずく
俊平は真っ直ぐあたしを見つめてきた。




「いいタイミングだな。そろそろお前には話しておこうと思ってたところだ」


「なにを?」


「俺が椿連合のOBだってこと」


「OB?」


「ああ。13くらいん時に連合に入って、16でリーダーつうか総長になった。でも椿連合は18で引退しなきゃならねぇしきたりがあって、俺はもう19だろ?だから引退して今はOBだ」





初めて知った俊平の人生にちょっと驚いた。



だって13歳で暴走族だなんて、あたしには想像もできない。




「今はOB会とやらに顔をだすくらいで、連合とはあんま関係ねぇ。まあ、今日は連合動かしちまったけどな」


「動かして大丈夫なの?カズキさんにも迷惑かかったんじゃないの?」




クラブを出るときにカズキさんが言っていた意味が今わかった。




「大丈夫だ。カズキは気にしすぎなんだよ。あいつぜってぇ将来ハゲるな」




俊平はそう言って声を出して笑っていた。




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