サヨナラのしずく
カズキさんがそう言い終わると、俊平が戻ってきた。




「似てるってなんの話だよ?」




ちょっとだけ聞こえていたらしい俊平は、カズキさんではなくあたしに聞いてきた。




「別に」


「別になんだよ?」




そう言って、ちょっと機嫌が悪くなりそうな俊平を見ないように、カズキさんたちはお肉を食べていた。




「あたしと俊平が似てるんじゃないかなって話してただけだよ」


「そうか」





納得したのか俊平は少し微笑みビールグラスに口づけた。




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