サヨナラのしずく
「シュンさん、ここの4階に住んでるから」


「え?」


「こっからはひとりでいけるだろ?」




行けるけど、ちょっと不安。



でもこれ以上甘えるわけにもいかない。




「うん、ありがとう」


「ああ。じゃあな」


「うん。本当にありがとうございました」


「ああ。ちゃんとシュンさんと話し合えよ?」


「何を話し合えばいいかわかんない」





タクミさんと話すのはこんなにも普通に話せるのに。



相手が俊平だといろんな感情が込み上げてきて、言葉が出なくなる。



涙や感情があたしの言葉をのみ込んでしまう。




< 137 / 358 >

この作品をシェア

pagetop