サヨナラのしずく
俊平はわかっているんだ。
それでも、あたしの口からちゃんと聞きたいんだと思う。
あたしもタクミさんに何を言われて慰められても、俊平の言葉で大事に思われているんだって感じたい。
「マミは昔付き合ってた女の妹で、我が儘でヒステリックなとこがあるから優しくしてたけど、お前が嫌ならもう優しくしない。雫を優先する」
「うん。…昔付き合ってた人ってどんな人だった?」
「あいつは今の俺みたいだった」
「あいつって呼ばないで!」
自分が我が儘だってわかっているけど、あいつとか、お前とか、こいつとか、そんな身内を呼ぶような言い方を他の女の人にしてほしくない。
「名前で呼ぶのはいいか?」
「なんて名前?」
「ナオ」
「うん。名前ならいいよ」
俊平はあたしの頭を撫でながら「すげぇ我が儘」って言って話し出した。
それでも、あたしの口からちゃんと聞きたいんだと思う。
あたしもタクミさんに何を言われて慰められても、俊平の言葉で大事に思われているんだって感じたい。
「マミは昔付き合ってた女の妹で、我が儘でヒステリックなとこがあるから優しくしてたけど、お前が嫌ならもう優しくしない。雫を優先する」
「うん。…昔付き合ってた人ってどんな人だった?」
「あいつは今の俺みたいだった」
「あいつって呼ばないで!」
自分が我が儘だってわかっているけど、あいつとか、お前とか、こいつとか、そんな身内を呼ぶような言い方を他の女の人にしてほしくない。
「名前で呼ぶのはいいか?」
「なんて名前?」
「ナオ」
「うん。名前ならいいよ」
俊平はあたしの頭を撫でながら「すげぇ我が儘」って言って話し出した。