サヨナラのしずく
「お前のこと…大切だなって思うようになった」


「うん」


「でもナオのこと何もわかってやれなかった俺が、お前を大切に出来んのかって思ってた。でもお前と連絡取れなくなって、そんなことどうでもよくなった」





俊平はあたしの手をぎゅっと握る。



もしかしたら、俊平は緊張しているのかもしれない。



そんなふうに思った。




「もう迷わねぇ。お前といる」


「うん」


「だからお前も俺のそばにずっといろ」


「うん」


「俺、お前いねぇと生きてけねぇわ」




嬉しい。


あたしも俊平がいないともう生きていけないと思っていた。


もうひとりになりたくない…。




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