サヨナラのしずく
嬉しいのか涙が流れてきた。


それを俊平は優しく指で拭ってくれる。





「で?お前は?」


「うん?」


「なんで俺の電話に出なくなった?ちゃんとお前の口から聞かせろ」




鼻をすすってあたしは話出した。




「マミさんを優先されて悲しかった」


「悪かった」


「うん。それに俊平にはカズキさんとか友達がいっぱいいる。それがどうしようもなく寂しい。あたしには俊平しかいないのに、俊平には他にいっぱいいる」





こんなことを言うあたしを俊平はどう思うだろうか?



俊平がどんな表情で聞いているのか気になるのに、あたしの視線はあたしの手を握る俊平の手を見つめていた。






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