サヨナラのしずく
「それが嫌だった。あたし我が儘だよね」


「だな。それに寂しがりやだしな」


「うん。それで俊平と会わなかったらそんな嫌な自分が消えると思った。でも…」


「俺に会いたくなったか?」


「うん。だからタクミさんにここ教えてもらって連れてきてもらった」


「タクミぃ?」




何故かさっきまでの優しい声じゃなくなった俊平。



あたしの手を握る力もちょっと強まって、あたしは思わず俊平の顔を見た。




「なんで雫がタクミと仲良いんだよ」




眉間にシワを寄せて俊平はあたしを睨んでくる。



なんでここでいきなり機嫌が悪くなるのかわからない。





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