サヨナラのしずく
夢みたいだ。


だけど夢じゃない。


嬉しくて嬉しくて、死んでもいいかもしれない。


ううん、死にたくない。



せっかく俊平と両思いなんだもん。





「あたしも俊平が好き」


「知ってる」


「へっ?」





そんな返事が返ってくるとは思わず、口から自然とまぬけな声が出た。




「お前が俺のこと好きで好きでたまんねぇのは知ってる」




そう言って俊平はニヤニヤとした嫌な表情を浮かべてる。




「別にそこまでとは言ってないよ」



「なんだと?」





あたしたちはふたりして声を出して笑った。





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