サヨナラのしずく
こんな気持ち初めてだ。


嬉しくて嬉しくて、嬉しいだけじゃたりなくて。


こういうのを幸せと言うのかもしれないと思った。




笑っていた俊平は真剣な表情になり、あたしの頭に手を伸ばしてきて、顔を近づけてくる。



あたしの瞳をぐっととらえて徐々に近づいてきた。




「嫌っ!」




あと少しでってところであたしは拒否してしまった。



考えるより先に出た拒否の言葉に自分でも驚いた。




「拒否ってんじゃねぇよ」




俊平はそう言って、あたしの後頭部に回していた腕を離していく。




「ごめん。でもやっぱり嫌」


「わかったから、なんで嫌か言ってみろ」





< 155 / 358 >

この作品をシェア

pagetop